月下の少女

マスターも元はどこかの族に入っていたらしく、喧嘩は強い。

私なんかの助けがなくても余裕で酔っ払い達を成敗できたであろう。

そこに私が勝手に首を突っ込んだってわけ。


今はonyxの週一の手伝い中


お客さんも常連さんが多く、見た目はいかつい人が多いけど、皆さん優しく迎え入れてくれた。

そんなonyxが私も好きだし、手伝っているのも嫌じゃない。


そんな今日は、貸切の何やらイベントがあるそうだ。

私とマスターはその準備に追われている。


「マスター。これはここでいいんですか?というか、なんのパーティーですか?」


「あぁ。話してなかったね。関東連合って知ってる?関東の正統派暴走族全体をまとめているリーダーの22歳の誕生日なんだよ。今日はそのパーティー。俺も元はそこに所属してたからそのよしみで毎年ここでパーティーをしてるってわけ。」


ということはこの辺の暴走族のトップが今からこの店に来る。そういうわけか。


22歳って意外と若い。

私が18歳だから、4つしか変わらない人がそんな大きな組織をまとめあげてるんだ。
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