月下の少女
同盟
春陽side
意識が浮上してくると目の重さ、顔や手など露出している部分が何となく赤くなり熱い感覚がした。
火傷したようにヒリヒリするのは久しぶりの感覚だ。
「冷やさなきゃ…。」
あ、昨日あのまま寝ちゃったから服もそのままだ。
私はベッドから起き上がり、洗面台に移動して冷水で顔を洗った。
水がしみて少しヒリヒリする。
顔を上げて鏡に映る自分の顔は少しだけ赤く染まっていた。
直接日光を浴びたわけじゃないんだけどな…。
タオルで水滴を拭き取り、顔にクリームを塗る。
今日は外に出ないでおこう。
だから日焼け止めはいらないか。
私はマスターに顔が見られないようにパーカーのフードを被り、onyxに保冷剤を取りに行った。
階段を登ると店内は何となく騒がしい。
というか時計見なかったけど今何時だろう。
5時ぐらいに寝たから昼過ぎとか?
でも開店時間は夜9時からだし…
階段を登りきると店の時計が見えた。
え、もう夜10時?私、20時間近く寝てたってこと?
すごい寝た感じがすると思ったら、そんなに時間が経ってたのか。
でもまぁ、今日はずっとこもる気だったし時間を持て余さなくて丁度いい。
店内は程よく賑わい、お客さんとマスターが談笑している様子が見られた。
私は邪魔にならないように部屋に帰ろ。
店の冷凍庫から保冷剤を何個かとり、階段に向かって歩き出すと、背後から声をかけられた。