月下の少女
瑞希side
春陽が倉庫からonyxに帰った後、俺はメンバー達の前に立ち、集会が始まった。
昇が働きかけてくれたおかげでほとんどのメンバーが集まっていた。
真ん中に俺、隣に昇と淳治、さらに隣に雪也。
目の前には100を超える仲間たち。
関東連合もでかくなったな。
「決戦は明後日。だが、明日から何かが起きるとの情報があった。」
シーンと静まり返っている空間が一瞬にしてピリッと空気が凍てつくのを感じた。
「何が起きるのかは分からない。だが俺たちはもう準備は整っている。あとは迎え撃つだけだ。」
強いまなざし。
誰一人として迷いはない。
守る。
そのために戦うだけだ。
「ひとつ、伝えておかなければいけないことがある。」
俺たちの味方、月下の少女。
彼女の存在についてだ。
「関東連合と月下の少女が同盟を組んだことは知っていると思うが、今回の抗争に月も参戦する。月も俺たちの仲間だ。月は、俺たちを守ってくれる。だから、俺達も月を、春陽を守るぞ。」
「「「はい!!!!!!!」」」
すべて守ってやる。
大蛇の好きにはさせない。
メンバー一人一人の顔をしっかり見て、俺は幹部達に目を向けた。
その表情は、覚悟を決めたような表情でこんなに頼もしいヤツらは居ない。
そう思った。
集会が終わると、俺はその足で春陽が待つonyxに向かった。
春陽からの打ち明けられるであろう何らかの秘密。
知りたいようで、知った以上受け止めなければいけないというプレッシャーもある。
だが、知りたくないとは思わなかった。
春陽が抱える闇を一緒に背負えるなら覚悟でもなんでも決めてやる。
最終的にはそう決め込んでonyxのドアを開けた。