月下の少女
「春陽。来たな。」
「うん。私の時間だからね。」
「昼は一般人に数名のけが人が出たがみんな命に別状はないらしい。完璧には守れなかったが、犯人は警察に受け渡した。」
「うん、お疲れ様。」
事件が鎮圧されているのは明らかに関東連合の力によるものだ。
昼は瑞希さん達が守ってくれた。
次は私の番だ。
「昼間の事件は大蛇の下のヤツらが原因だ。なんでも指示されてやったと話しているみたい。春陽さんが聞いた9月5日から動くっていうのはこの事件のことだろうね。」
「僕もそう思う。たった5人、しかも直ぐに警察に捕まるような無計画さだ。それになんの意味があるのかってところが未だに読めない。」
「なんにしても、誰が来ても俺が好きにはさせない。」
雪也さんの言うことが事実なら指示したのは恐らく仲辰夫。
昇さんが疑問に思うのも無理はない。
なんのためにわざと事件を起こして騒ぎを大きくしたのか、そこが全く分からない。
淳治さんは怒りからなのかソワソワした様子も見受けられる。
「みんな、昼を守ってくれてありがとう。夜はまだ長い。休める時に休んで。」
「春陽の言う通りだな。お前らも休め。体が持たなきゃ意味がねぇ。何かあればすぐ起こす。それまで、それぞれ休んでろ。」
「おう。」「うん。」「はい。」
淳治さん、雪也さん、昇さんが同時に返事をし、特攻服を脱いでそれぞれ別の部屋に移動していった。