少女と過保護ーズ!![完]
あたしは自分のお皿から、麻也のお皿にサンドウィッチを移す。


大皿にはもう半分も残ってなかったもので。



すると



「それは」



と、竜希さんが自分のお皿にあるサンドウィッチを一つあたしのお皿に。



「働いてるお前も」




と、八雲さんも一つ。




「だろうが!!」




そして蓮くんも。




「俺にも何か言わせろや」




最後は桂。


あたしの空になったお皿が充たされる。


おおっ。


皆の優しさに、あたしは笑ってお礼を言う。




「ありがとう」




すると、竜希さん、八雲さん、蓮くんが笑い返してくれる。




「……にしても桂、これ」




だけど、桂にだけはシラケた視線を向ける。


だって桂がくれたのは、さっきキュウリが入ってると騒いでた食べかけのサンドウィッチ。



子供かっ!!と突っ返そうとしたんだけど




「誰がハイネに食べかけをやれなんて言った?」




寒っっ。


隣から噴き出す冷気に、恐る恐るそっちを見るとニッコリと笑う八雲さんが……。


でも瞳は笑ってなくて。


温度を感じない冷たい視線が桂に向けられてる。



あわわっ。

怒ってらっしゃる!?

なんで!?


噴き出す冷気が半端ない!!




「八雲さ「八……八雲くん?おち……おちゅっ……おちちこうかっっ!!」



お乳!?




「お前が落ち着けぃっっ」




おもわずツッコむ。




「口を開けろ、桂」


「……」




無言の真顔で首を横に振る桂。


八雲さんは絶対零度の微笑みで、食べかけのサンドウィッチを持ってる。



あたしはもう何も言えず……。




「ギャーッハッハッハッ!!良いぞ、八雲!!」



出た!!

竜希さんの笑い上戸!!
< 14 / 461 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop