少女と過保護ーズ!![完]
「ちょっ!?なんで俺を羽交い締めにすんだよ!!竜ちゃん!!」



笑いながらも忍者のように気配を消していた竜希さんが桂の後ろに回り込み、問答無用で羽交い締めにした。


綺麗にキマッてるそれに、桂は身動き1つ出来ず、顔色が赤から青、最後には真っ白になった。


何も書かれていない紙のような白さだ。


これから起こることに、何かはわからないけど。


自業自得とはいえ、桂に弔いの合掌をしておく。


迷わず成仏するんだぞーー。




「拝むなっ。助けろっ」


「えー……」



食べかけをくれるような人を助けろと……?



「……ハイネ」


「ん?」




麻也に呼ばれる。




「ギャーーッ!!」




桂の断末魔。




「ひーひっひっひっ!!」




竜希さんの大爆笑。




「竜ちゃん!口にサンドウィッチいれたまま笑うんじゃねぇよ!!飛び散ってんじゃねぇか!!汚ねぇな!!」



ものすごく嫌そうな顔の蓮くん。



……うるさいなっ。

この人達、いつもだが……うるさいなっ。

朝から元気だなっ。



騒がしい四人組を見ると、八雲さんさんが情け容赦なく桂の口に彼の大っ嫌いなキュウリの入ったサンドウィッチを詰め込んでいた。



この人達があたしや麻也より年上……とか……




「……さっきはごめん」




か細い麻也の声。




「んん!?……さっき??」




なんとか聞き取れた。


あっちの騒ぎに意識を向けすぎた。



てか、さっき??


数秒、考える……。



チーン!!



ああ、ゲンコツのこと……か??
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