少女と過保護ーズ!![完]
逃走
「どこだ!?」
「クッソ!!」
「なんで最初に捕まえとかねぇんだよ!!」
すぐ近くで聞こえる男たちの声。
お願いっお願いっっ!!
気付かないでっっ!!
走って、荒く上がった息を止め震える体を抱きしめ小さく縮こまる。
―――――――――――――
十数分前。
「"――"の女だな??」
塾の帰り。突然そう声をかけられた。
"――"。
その名前は知ってる。
あたしの大好きな人の名前。
だけどあたしは"女"…"彼女"ではない。
違うと首を横に振ろうとした。
「俺らと一緒に来てよ」
「めっちゃくちゃ、気持ちいいことしようぜ」
「"――"。すっげぇムカつくんだよな。殺してぇ」
けど、アイツ半端なく強ぇからなぁ…。
だから。
狙うのは弱い"彼女"
気色の悪い、欲に満ちた目が一斉にあたしに向けられた瞬間、あたしは逃げ出した。
捕まるのは時間の問題。
お願い………………。
誰か……助けてーーー。