少女と過保護ーズ!![完]
あたしが答えられず、うんうんと唸っていると凛さんから口を開いた。




「んー、女の子が居たんだよねぇ……」


「女の子??」




女の子とな……?



「そ。スケッチブックを持った、ハイネと同い年くらいの女の子」



スケッチブック?


あたしと同い年くらいの?



あたしは見ていない。


見送りの時も居なかったと思う……。


けど、勝手口の方に居ればあたしからも皆からも見えない。



凛さんが入ってきたのは、まさに勝手口からで。


…………。



"黒豹"のファンの子だろうか?


若干、蓮くんは顔が恐いけれど……皆カッコいいし。


それになにより優しいから。


"黒豹"は人気があり、たくさんのファンがいることを知っている。



がっっ。


八雲さん!!


八雲さんのファンだったら、どーしよう!?



決闘!?

決闘すべきか!?


だって、八雲さんだけはダメだ。

八雲さんの隣はあたしの場所だ。


誰にも渡したくない!!




「まっ、その様子なら何かされたって訳でもないみたいね」



なら、いいわ。

と、あたしの頭を撫でてくれる凛さん。



ああ、心配かけてしまったんだ。


"シャーウッド"で働き始めた頃、嫌がらせがあったから。



ここは"黒豹"のアジトに近く"黒豹"の皆も良く利用するから。


アルバイトしたいって、女の子がたくさん来るんだって。

そんな所に、ポッと出のあたしが働きだした。


気に食わなかったんだろうな。


嫌がらせはされたけど……返り討ちにしまくった。



嬉々として。

凛さんが。



"うちの娘になにすんじゃ、こらぁっ"と。




あっ、嫌がらせのことは皆には内緒。


心配かけたくないから。



知ってるのは凛さんだけ。




「さっ、開店するわよ!今日も1日よろしくね!」


「はい!!」









"シャーウッド"開店です!!
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