少女と過保護ーズ!![完]
"シャーウッド"の開店時間は8時30分。



従業員はオーナーの凛さんを入れて3人。



キッチン担当の50代主婦岡田さんとホール担当のあたしと珈琲担当の凛さんの3人。



しかしあたしはいつも気が気じゃない。


だって凛さん妊婦さんだしっ!!


3ヶ月って一番安静にしとかなきゃいけない時期じゃないの!?



なのに凛さんはジッとしててくれないしっ!!



"黒豹"の皆に相談しても「大丈夫だろ?」としか言わないしっ!!


男共は役に立たないから、あたしがしっかりするしかないっ!!



スッとクッション付きの椅子を差し出す。


さぁ座って、と。

早く座って、と。



そんなあたしに苦笑いしながらも座ってくれる凛さん。


凛さんが座ったのを確認して、足元のヒーターをON。



そしてお腹から足にかけて毛布をかける。


身体を冷やしたらダメって聞くし。


ここは入り口のドアが開く度に冷たい潮風が入ってくるから。



よし、準備完了。


レジの下にある有線のスイッチを入れて、丁度8時30分。


岡田さんはもうキッチンで作業中。











カランカラーンッ!!



開店してすぐ、来客を告げるドアの鐘が鳴り響く。



「いらっしゃいませ」


「いらっしゃいませ!!」




元気に笑顔で挨拶。


これ接客の基本。



"シャーウッド"で一番最初に習ったこと。









今日一番最初のお客様は、金髪巻き毛のゴスロリファッションの女の子だったー。
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