少女と過保護ーズ!![完]
ここ最近の常連さんで、開店と同時に来て閉店間際に帰っていく。



ファッションに疎いあたしは、ゴスロリファッションなるものを間近で見るのが初めてでおもわず暫く凝視してしまった。


けれど、とても女の子に良く似合っている。


自分の見せ方をとてもよくわかっているのだ。


歳はやっぱりあたしと同じくらいで。



確認のため見たけど、スケッチブックは持っていない。

小さなカバンにも入っている様子はない。



とりあえず、ホッ。


こんな可愛子ちゃんと戦える自信はまるでないものっ。


八雲さんは譲れないけど、可愛さでは勝てないものっ。


……うん。


悲しくなって、その事を考えるのは止める。


学校は?と思うけど、あたしも行ってないし。


人にはそれぞれ事情がある。




女の子はあたし達を見て、ペコリと頭を下げるとカウンター席の一番端へと座る。


どうやらそこがお気に入りらしく、毎回そこに。



店内が珈琲の芳ばしいに包まれる。


良い匂い。


お子ちゃまなあたしはまだ、珈琲を進んで飲みたいとは思わないけど、匂いは好きだ。




「おはようございます。いつもので良いですか?」




お水を置いて、そう声を掛けるとコクンと頷いてくれる。



いつものとは、パンケーキと珈琲のセットである。


めっちゃ美味しい。

岡田さんの得意料理で、"シャーウッド"で一番の人気ものだ。



少しトローンとした眠そうな瞳であたしを見つめてくるんだけど……









超キュート!!
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