少女と過保護ーズ!![完]
そして今度はサラリーマンの男の人へ。


あたしを助けようか迷ってる様子。


気持ちはありがたいのだけど、お客様に怪我をさせるわけにはいかない。


小さく首を横に振ると、なんとも渋い顔。


申し訳ない。


目で詫び、最後はゴスロリの女の子。



うわーぁお。


この不穏な空気の中、我関せずで本を読み続けてる。


うん……寂しくなんて……ない……もんね……だ。




「これ"黒豹"のマークじゃねぇか!!」


「なんでこんなガキが"黒豹"の証なんて持ってんだよ!!」




なんでって……。

"黒豹"だからに決まってんでしょーよ。


そう思うも口はきかない。


今のあたしでは、その答えは皆の足手まといになる可能性がある。



「偽物……っじゃなさそうだな。なんだよ、この精巧な作りはっ」



見る目はあるようだ。



「離せ」



いつまで汚い手で、あたしの宝物に触ってんだ。


低い声と共にホイッスルを握ってる長髪の手にキツく爪を立てる。




「いっ……!?何すんだ!!」



グイッ!!



「っっ」




ホイッスルを強く引っ張られる。




「あっでも俺、聞いたことあるぞ!"黒豹"には"チビ姫"って呼ばれて大事にされてる女がいるって!」



うん。

大事にされてる。


大事にされて……るぅ?


八雲さんと麻也と蓮くん、"黒豹"の皆には大事にされてるけど(照れり)



竜希さんと桂には遊ばれてる感が半端ないけど。










"チビ姫"は確かに……あたしだ。
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