少女と過保護ーズ!![完]
"黒豹"でたった一人の女。


そしてあたしの身長が150㎝と小さいから




"チビ姫"




……いや、うん。

言いたいことはわかります。



そういう人達の集まりなんです、"黒豹"は



が、1つ言わせて頂こう!!



あたしが小さいんじゃなく、あの人達がデカいん



「……っっ」




グイッと無理やり、顎ヒゲの方に顔を向けさせられる。


コイツらに苦痛の表情など見せたくなくて、無表情を貫いてきたけど……限界だった。


首の痛さで顔が歪む。



「おおー!!良く見たら可愛いじゃん!!」



顎ヒゲに言われても、なんら嬉しくないし。


それに良く見たらって……。

良く見なければダメなのかっっ。


失礼な!!



「汚い顔を近づけんな。いい加減、手を離せ」




顎ヒゲと長髪を睨む。


……コイツらは一体何をしに来たんだろう?


"黒豹"に用事……というよりは物凄い敵意を感じる。



「このっ!!調子に乗んなよ!!」




グィイッ!!




「……っぅ!!」




今度は長髪がホイッスルを引っ張り自分の方へ。


更にチェーンが首に食い込んだ。


痛さに声が出たことが悔しくて、唇を噛む。



ギリギリと力一杯爪を立てその手を引っ掻くが、長髪はそんなあたしを見て、面白いという風にニターッと歯を剥き出して笑った。



……猿。


その顔は見事に猿にそっくりだった。
< 29 / 461 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop