少女と過保護ーズ!![完]
好きだったものが、小さな切っ掛けで嫌いになるなんて、よくある。


どんなに周りが諭してみても、最後の決断は自分しか出来ない。


あの女の子も悩んで悩んだ結論だったんだろう。


好きな人を諦めるのだ。


「今回はリーゼントにとって運命の相手じゃなかったってこった」


「うん」



「現れるさ、きっと」



八雲の前にお前が現れたように…。



「うん!!」



まだ、吹っ切れてはいないだろうが幾分か、さっぱりした顔で笑うチビ。



頭を撫でれば、チビの大きな瞳が真っ直ぐ俺を見る。



「竜希さん」



「ん?」



「竜希さんに大事な"姫"が出来たら、あたしが守るよ!!絶対!!」



強い光を放つ無垢な瞳。



なんだっっ!?

本当っっ!!

なんなんだっっ!?



この愛しき生き物はっ!!



俺は、沸き上がる感情のままチビを強く抱きしめた。



当分はこの、小さいのだけで充分だ。



俺のために俺の"姫"を守ると言ってくれたコイツを全力で守ろう。
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