少女と過保護ーズ!![完]
山へ帰れっ猿!!



「イイもん見つけたなぁ」


「コイツなら"黒豹"も言うこと聞くだろ」


「……」




……マズい。


コイツら、あたしを人質にして"黒豹"に何かする気だ。




逃げないとっ。


でも……。



自分の後ろにはお客様がいる。


お客様を放って逃げるなんて出来ない。



あたしの手から力が抜け、長髪から手を離す。



ごめんなさい……八雲さん。



「ギャハハハハ!!コイツも諦めたみたいだし、行くか」


「だな。"黒豹"の奴らをボコりに来たんだが、まさかこんな簡単に奴らの大事な"チビ姫"を捕まえられるとはな!!」




……ふざけんな。


"黒豹"をボコる?


んなこと、させるかボケッ!!



あたしの一番大事な居場所"黒豹"


それを……皆を傷つけるなんて赦さない。



ガッと一度離した長髪の手を掴む。


上等だ。


何処へなりと連れていけ。




「グダグダ言ってないで、早く連れてけ」




ボコるなり好きにしろ。




と言おうと口を開いた、その時ーー。









ガランガラーンッ!!


バターーーーンッ!!



「「「!!??」」」




破壊を目的としてるのか!?という程、勢いよく開けられた出入り口のドア。




「ヤッホー!!可愛い可愛い"チビ姫"!!会いに……」




男二人が出入り口を塞ぐ形で立っているから、入ってきた人の姿は見えないけれど。


聞こえてきた声には、とっっても聞き覚えがある。



……ああ。



その騒がしい来店客に、ギョッとした奴らが振り返る……
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