少女と過保護ーズ!!
「……ハイネ…」




……………………。




「朝だぞ、起きろ。ハイネ」





"ハイネ"




父さんと母さんが亡くなって、名前では呼ばれなくなった。





コイツ・アレ・ねぇ・ちょっと・おい・お前。




それがあたしの名前だった。





「…ハイネ。俺がいないとこで泣くな。助けてやれねぇ」





優しい優しい声が降ってくる。





暖かい…。





「皆が待ってんぞ」





……皆??




あたしは1人だよ…。





「可愛い可愛い俺のハイネ。目を開けて、オレを見ろ」






ぶわっっ!?

可愛いって!!




一気に今のあたしになる。

そうだ。

思い出した。





「おはよう、ハイネ」





「…八雲さん」




柔らかく微笑む八雲さんと目があった。





その瞬間、ポロポロと目に溜まってた涙が零れた。





「どうした?」




細く長い指が涙を拭ってくれる。





「……八雲さ…ぬぉっ!?」




それを、あたしの涙をペロッと舐めたではないか!?




ぬぉぉぉぉ!?!?




あまりの衝撃にあたしは勢いよく起き上がった。
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