少女と過保護ーズ!![完]
「ハイネ!!一体何があったの!?大丈夫!?」



「ギャアアアアアアアアアッ!!」




ああ……。


長髪が開け放たれていた出入り口のドアから外へ放り出された。


ポイッと。



長髪がいなくなって、1人の美女があたしの前に現れる。


凛さんと並んでも見劣りしないゴージャス美女。


高いところで巻き上げたワインレッドの髪。


キリッとした眉に一重の切れ長の瞳。


真っ赤な口紅がとても良く似合っている……んどけど。



何故……何故に……













極妻……?



黒地に金の牡丹の刺繍がされてる着物を着てる花音さんは、どこからどう見ても極妻。


魔性の極妻……。


花音さんを手に入れるために争いが起きそうだ。



その極妻の横には組長……ではなく、未だに顎ヒゲの頭をギリギリと締め上げてる健さん。


あたしと目が合うと、健さんは表情を弛め微笑んでくれる。


健さんは見た目は熊さんみたい。


体もガッチリしてて、身長なんて二メートルはある。


花音さんと並ぶとリアル美女と野獣。



でも性格はとても穏やかで優しい。


どっちかっていうと、花音さんの方が野




「あ"?」


「にゃんでもないでっす!!」



恐っっ。


花音さんに睨まれた。



何故考えてることがバレた……。




目は口ほどにものを言うという諺があるけど、絶対にこの人の為の言葉だと思う。


円らな目はいつも温かい視線で、あたしや"黒豹"の皆を見守ってくれている。



顎ヒゲの頭を掴んで締め上げている今は、そうは見えないけど。


リアル熊さんだけど。



「ああ?なんだ、なんだ?」


「男が飛んできたぞ?」


「いらねっ!男なんていらねぇよっ!そこは可愛い女の子だろーがっ!」


「だよなっ!」


「知らんわ」


「花音さーん?」


「健さーん?」




お外が急に騒がしいなっっ。
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