少女と過保護ーズ!![完]

そんなはずはないっっ!!



俺は麻也からスマホを奪い、かけ直す。



何度も何度も!!



それでも、ハイネは出ない。



コール音さえ鳴らない。



繰り返されるアナウンス。



「クソッッ!!!!」



何が起きてる!?


ハイネは無事なのか!?!?


ケータイを持ったことも、ほとんどイジッたこともないハイネは、使い方を知らず。


今日だけだったから、出方と切り方だけ教えた。



"ほーっ"



なんて目を輝かせてたハイネに、電源の切り方がわかるわけもなく、充電もしてあった。



花音さんにも"いつでも連絡"の取れる場所にと言ってある。



約束したのだ。


"皆からの電話がきたら必ず出る"と。


ハイネは約束を破らない。


皆の"心配"を無視するような子ではないのだ。



だからっ



「やっくん!!俺、竜くんのとこに…」


「ダメだ」



"何かあった"と厳しい顔で竜ちゃんに知らせに行くと言う麻也を止める。



「なんで!?」


「竜ちゃんは今走ってる最中だ…」
< 364 / 461 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop