少女と過保護ーズ!![完]
そんなはずはないっっ!!
俺は麻也からスマホを奪い、かけ直す。
何度も何度も!!
それでも、ハイネは出ない。
コール音さえ鳴らない。
繰り返されるアナウンス。
「クソッッ!!!!」
何が起きてる!?
ハイネは無事なのか!?!?
ケータイを持ったことも、ほとんどイジッたこともないハイネは、使い方を知らず。
今日だけだったから、出方と切り方だけ教えた。
"ほーっ"
なんて目を輝かせてたハイネに、電源の切り方がわかるわけもなく、充電もしてあった。
花音さんにも"いつでも連絡"の取れる場所にと言ってある。
約束したのだ。
"皆からの電話がきたら必ず出る"と。
ハイネは約束を破らない。
皆の"心配"を無視するような子ではないのだ。
だからっ
「やっくん!!俺、竜くんのとこに…」
「ダメだ」
"何かあった"と厳しい顔で竜ちゃんに知らせに行くと言う麻也を止める。
「なんで!?」
「竜ちゃんは今走ってる最中だ…」