少女と過保護ーズ!![完]
蓮side



バレンタインなんか、大っっ嫌いだ。


一杯チョコの入った紙袋を放り投げ、砂浜に寝転ぶ。


何故に…。

何故に毎回…男から貰わなならんのだ(泣)


竜ちゃんに八雲、桂に麻也は女子に囲まれ、キャーキャー言われる中、俺は男に囲まれチョコを貰うとか……。



ちょっと消えたい…。



「蓮くーん!!蓮くんやーい!!」



ああ。

チビネの可愛い声が俺を呼んでる。


が、今は会えねぇなぁ。


こんな情けない顔、見せたくな…



「うるぁぁぁぁぁっっ!!赤髪ーーっ!!返事しないと嫌いになる…」


「ハイ!青木蓮!ここにおりまっす!!」



焦って立ち上がる。


チビネにまで嫌われたら生きていけねぇ。


案外近くに居たチビネとガッチリ目が合う。



「蓮くん!!」


「ごふっっ!?」



目にも止まらぬ速さでタックルをくらった。


小さいのに全身全霊かけてくるから、結構なる衝撃。


なんとか踏ん張り。



「チ…」


「帰って来ないから、心配した」


「すまん」



小さな小さな声に、本当に心配をかけたんだと申し訳なくなる。



「…もう少し、ここに居てもいーか?」


「ん。あたしもいい?」


「もちろんだ」



頷いて砂浜に腰を下ろせば、チビネが俺の足と足の間に座り、胸に背中を預けてきた。



「っっ!?」


「にししっ!こうすれば暖かいでしょ?」



え?

何、この天使!!
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