少女と過保護ーズ!![完]
「口で言えーいっ!!言えばわかるわっっ!!」



リードを引かれるのに、ご立腹だったらしいチビ助に今度は胸に頭突きをくらう。



「ゲフッ!?」



八雲直伝かっつーくらい重い一撃。



こんのチビゴジラがっ。


言ってもわからんから、八雲がこのリード付きリュックにしたんだろーが。


目を離したら、すぐどっかに行く、このトラブルメーカーを守るために。



俺らの言い争いは、周りから注目を集め、もはや尾行の尾の字もない。


まあ、アイツラは気付いてないみたいだから良いがな。



離れてしまった二人を見れば、何かを言い合いながら歩いていて、こちらには見向きもしない。



「桂!!桂!!見失う…」


「大丈夫だ。始まるぞ」


「ん?」



焦るチビ助にそう言えば、ピンっとウサミミが立った。



次の瞬間。



「止めて下さい!!」



女の声が商店街に響いた。
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