少女と過保護ーズ!!

“リーゼント”

「ハイネ」



呼ばれて振り返れば、リーゼントが居た。



「お?リ…」



リーゼント。と呼ぼうとした。



けど…あの時の己の絶叫と、竜希さん、麻也、桂の爆笑を思い出して、口をつぐむ。



しかし…

名前なんだったっけ??



呼べない。

呼べないよ。



近付いてくるリーゼントに笑いかける。




「いらっしゃい。どうしたの?リ…」


「バレンタインのお返しを持ってきた」


「ほぁー!!わざわざ、ありがと!リ…」


「おいおーい。さっきからめっちゃリーゼントって言おうとしてんじゃねーか」



バレてる!!

よりによって、桂に。



「ちょっ、八雲っあの子にどーいう教育してるの!?お父さんでしょ!?しっかりしてよっっ!!チビ見て、笑いしかおこらないわ」



笑いしかおこらない!?!?

どーいう意味だ!?

竜希さん!?



「誰がお父さんだ。恋人か彼氏しか受け付けん」



…八雲さんっ。

…きゃっ



「くっっ…」


「麻也ーー!!死ぬなー!!」



そんなに!?

あたしの女の子思考は苦しむほどってか!!



「ん??チビネはアイツの名前を覚えてないってか?」



蓮くんっっ!!

そんなホントのことを!!


これ全てあたしの後ろで皆が輪になって小声←(なっない。普通の音量)で行われてた会話。


丸聞こえだったけどね!!



「お前が呼びたいなら、リーゼントでいいぞ」


「リーゼント!!!!」



なんて、なんて心が広いんだ。

男前!!


ここに熱い友情が生まれた。



「お茶淹れるから、一緒に食べよう!!リーゼント!!」

「メッチャ呼ぶじゃん」

「これでもかってほど呼ぶじゃん」


笑われまくる。

ので、お茶はあたしとリーゼントのだけ淹れた。


八雲さんもしっかりと笑ってたからね。


ふん、だ。



そうして、あたしたちは仲良くドーナツを食べました。



それはそれは、美味しいドーナツでした。




また食べたいです。




「「「日記かっっっ」」」
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