少女と過保護ーズ!!

“蓮”

カランカラーン。



来客を告げる鐘が鳴る。



桂から貰ったぬいぐるみを部屋に置いて、仕事に戻った。



休憩終わって、お客様の来店にテンションが上がる。



「いらっしゃい………ませ??」



にっこり営業スマイルで挨拶するも……疑問系。



何故ならば。



「蓮くん?」



さっき別れたばっかりの蓮くんだったから。


いや、蓮くんが"シャーウッド"に来るのなんて珍しくもなんともない。


ないんだけど、どうも様子がおかしい。


入ってくることもなく入り口で立ち尽くし、真っ赤な顔に、斜に上がった三白眼は潤み焦点が虚ろ。

そして、ハァハァと荒い息。


え?

何?変態??



「ハイネちゃん」


「来てはっっ来てはダメ!!桐子!!」



こっちに来ようとする桐子を制する。


無垢で純粋な桐子に、こんな変態蓮くんを見せてはならない!!←失礼。



「どうしたのだ!?蓮くん!!桂のウイルス(変態)に感染したのか!?」←更に失礼。



お客様たちも、何事かと、あたしたちに視線を向けてきたから、それに笑顔で、何でもないんですと答える。



イケない。イケない。


まだ仕事中だ。




「チ"ビネ"、どう"ごち"ゃ……」



すんごい声で呼ばれた!!

閻魔様みたいな声だった!!


聞いたことないけど!!
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