少女と過保護ーズ!![完]
フンワリと香る、瑞々しい新緑の香り。


少し手にかけると、八雲さんはあたしの耳の後ろの方にソレをつけた。



「ん。ハイネって感じ」


「ほー!!」



あたしの首もとに顔を埋め、匂いを確かめる八雲さん。


これが、今のあたしかぁ。



「毎年、ハイネの成長とともに香水も替える。俺が選んで、贈ろう。この日に」


「っっ!!」


「ずっと側で、隣で、一緒に大人に。"レディ"になるハイネを見ていこう」



ああ―――――――。


なんて甘美で愛しい"約束"


あたしは八雲さんの首にしがみついた。


そして、顎にソッとキスをする。



「ハイ……」



八雲さんにもお髭が生えるんだね。


少しザラッとした。


でも愛しい。



フワフワ香る匂いは、まだ幼さを感じさせる。


これが今のあたし。


いつか、これが色っぽくて甘い匂いに替わったとしても、あたしの隣には八雲さんがいる。



"一緒"に歩き続ける。
< 459 / 461 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop