少女と過保護ーズ!![完]
「行くぞ!!」



え!?

何処に!?



「"黒豹"レッド!!」



なんか始まったんですけど!!


ビシッとポーズをとる竜希さん。



竜希さん……それ鶴のポーズ。


もっともっとカッコいいポーズなら幾らでもあるだろうに、何故それをチョイス!?




「"黒豹"イエ……ロー?」




何故に疑問系?蓮くん。


って、そうだよね。


きっと、おちゃらけ二人組に付き合わされただけなんだよね。


蓮くんの表情はまるで迷子の子供のようだ……。



「そして俺が」



聞いてない。

言わんでいい。



「お色気たっぷり"黒豹"ブルー」



……。

帰れ、桂!!


アンタに、色気なんてないし、八雲さんの方が色気とフェロモンたっぷりだし!!



パチンとあたし達にウインクしてくる桂。


そのウインクを八雲さんが無表情で叩き落とす。



おお!!



「あっなにしやがんだ、八雲」


「ハイネに汚ねぇもん飛ばすんじゃねぇよ。アホ桂」



そう言って、八雲さんがあたしを抱き締め直す。



えへへー。



「ギャーッ!!」



司令官……もとい海斗さんが叫ぶ。


さっきからどうしたというのか、海斗は。



「汚……汚いだと?俺のウインクが……。って、んな訳あるかー。俺のウインクは一万で売れる!」


「売れねぇな」


「売れねぇよ!!」


「帰れ!!」


「お前ら酷いな!!」



八雲さん、味方のはずの蓮くん、そしてあたしのトリプル攻撃に撃沈する桂。



「"黒豹"ピンク!!」



!!??


突然のピンクの登場!!


女の人っ、女の人かっ……


……



「竜希さん……」


「竜ちゃん」



……1人2役ですか?


裏声まで使って。


ポーズまで可愛らしく。



……ない。

……ないわー。


シラーッとあたしや八雲さんはおろか、やっぱり味方の蓮くんと桂にまでシラけた視線を向けられ、焦り出す竜希さん。
< 49 / 461 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop