少女と過保護ーズ！！[完]

「……は、体調不良のため欠席！！」



まさかのっ！！

ヒーロー欠席！！



さっきの自分はなかったことにした！！


なんなんだっ。


まぁ、ピンクの正体はほぼわかってるけど。


いつも居る人が１人足りない。


麻也である。



"黒豹"ピンクは間違いなく麻也だ。


でも体調不良って……。




「生理だ！！」


「ごるぁーっ！！」


「！？」


「セクハラだぁっ！！」


「セクハラ！？」



デカい声でなんてことを言うんだっ。


そしてそれは嘘だよね！！(当たり前)


絶対嘘だよね！！(当たり前)



あたしも朝それ言って、拳骨もらったもんねー！！



女の子の敵だ、竜希さん。



胸を張ってのセクハラ発言に、ガルルーッと竜希さんを睨む。



その時、ピロンッと誰かのスマホが鳴った。


あたしのじゃない。


あたしはガラケーもスマホも持っていない。


友達いなかったし！！


必要なかったし……持たせて‥もらえなかったし。



……欲しいと思ったことは、あるけど。



「あっ、悪い俺だ」



蓮くんだった。


蓮くんが取り出したスマホをボーッと見るあたしは、八雲さんに見られていることに気付かなかった。



「……」



蓮くんがスマホを操作した途端、ザッと青ざめる。



「なんで俺！？」


「おぅ！？」



ビックリした！！

突然叫ぶから。



「なんだよ、蓮。うるせぇな」



桂が蓮くんに近づきスマホを覗き込もうとしたけど、その前に蓮くんが画面を皆に見せてくれた。


そこには……













"殺"




と、一文字だけ書かれていた。


麻也から蓮くんへ、である。



……怒ってる。


うん、さっきも言ったけどあたしと蓮くん、今朝このネタで重い一撃をもらってるからね。


てか、麻也居るの！？


おもわず周りを見回す。


このタイミングは話を聞いてないと無理。



……居ない。


勘……なのだろうか、ならば恐るべし麻也。



んで、惨し蓮くん。


巻き込まれただけなのにね。




チーン。


あたしは蓮くんに合掌した。