少女と過保護ーズ!!
わっしょい!!

わっしょい!!



と、御神輿のように運ばれていくあたし。



「ハイネー。明日は一緒にご飯食べようねー。ゆっくり休むんだよー。おやすみー」



海斗さん!!


あたしの記憶が正しければ、この騒ぎの発端は貴方ですよね!?


ほんわか笑顔で手を振ってくる海斗さん。



「はーい、おやすみなさーい。海斗さん」



多少、笑顔が引きつるも挨拶をして手を振り返す。




「弱ぇな」


「うるっさいよ、桂!!」




無理なのだ……。


あたしには無理なのだ!!



あのチワワ的愛らしい海斗さんにツッコミをいれるなんて!!


あたしを担ぎながらも階段を軽々と上がっていく二人。



「はーなーせー!!もう自分で歩けるっ」


「イテッ!!コラッ、暴れんなチビネ!」


「ヒャーッハッハッハァッ。間抜けなチビ助にはこんな運ばれ方が似合ってんよ」


「うるっさい桂!!そのオサレヘアー毟りとってやろうか!!」


「やれるもんなら、やってみなぁ?」


「むっきぃいいいいいいいいいっっ」




桂がムカつくーーっ。




「ハイネーーッ!!」




八雲さんの絶叫が下から聞こえてくる。



八雲さーーんっ。



"シャーウッド"を壊さないでねーーっ。



もう司令室へと運ばれてしまったあたしは、心の中で祈るしかなかった。




「落ち着け八雲!チビは2階に……ギャアアアアアアアッ!!」


「おおーー!!」




"シャーウッド"が阿鼻叫喚と歓声に包まれた…ようだった。
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