少女と過保護ーズ!![完]
「怒るだろうな」



俺達の時間を自分に使わせることに。



八雲が苦笑してチビの頭を撫でる。


俺でもわかるんだ。


チビをココに連れてきて、一番側に居るコイツがわからない訳がない。


チビはまだ、俺達に遠慮してるんだ。




"俺はな、チビ。"黒豹"は家族だと思ってる。だから今日からお前も"黒豹"の一員、家族だ"




1年ほど前にチビに言った言葉。


その言葉に幼い顔を更に幼くして、嬉しそうに笑って頷いた姿は今でも鮮明に覚えてる。



一緒に居るのが当たり前になったけれど……。


チビにとっては、まだ1年で……。


頼ったり、迷惑をかけたり、足手まといになることで、俺達が離れてしまうんじゃないかと恐れてる。


家族でなくなることを……。




しっかーっし!!


俺は足りねぇ!!



初の妹だぞ!?


もっと頼って欲しいし、甘えて欲しい!!



が、まぁこれからずっと一緒に居るんだ。



ゆっくり、俺達は離れないことを教えてやればいい。



「怒られるぐらいで、コイツを守れるなら安いもんだ」



なんぼでも怒られてやる。



胸を反らして言う。



……ハッ!!


いや、違うぞ!!


俺はMではない!!


ないったら、ない!!


怒られないなら、その方がいいに決まってる!!



チビを怒らせると、"ご飯抜き!!"とか言うしな……。



オカンかっ。



おっ!?

この俺をビビらせるとは、最強じゃね?チビの奴。



「そーだな、守れるなら」



嫌われるのだけは、なんとしても全力で阻止するが……。


ボソッと呟く八雲。



んげっ!?


あれは絶対、"なんとしても"の中に俺達が入ってる!!



「俺は入れるな!桂なら許すがっ」













「はっくっしょーいっ!!」


「んだよ、桂風邪か?」


「いや……」













「なんのことだ?」



心底わからないって顔をする八雲。



惚けやがった!!



俺は騙されねぇぞ!!
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