少女と過保護ーズ!![完]
ピーッ!!!!
初めて吹いたホイッスルの音は綺麗に澄んだ音だった。
が、感動する間もなく前歯が痛くてまた泣けた。
それまでの大爆笑はどこへやら、ホイッスルの音を聞いた桂が真っ青になって逃げ出そうとし、これまた真っ青になった井岡と有馬に取り押さえられた。
“黒豹”であれば皆、ホイッスルが鳴る意味を知っている。
『だっ!?ばっ!?お前ら離せっっ』
『イヤッス!!』
『チビ姫を泣かせたんッスから罪は償ってもらうッスよ!!』
『ハイネーーッ!!』
ドッカーーンッ!!
派手に何かが倒れる音。
駆け寄ってくる足音。
八雲さん……。
八雲さんだ……。
本当にすぐ来てくれた。
『ハイネ!!』
酷く慌てた、険しい表情の八雲さんが姿を見せた。
『何があった!?』
『『『『……』』』』
そこからがまぁ……大変だった。
泣くあたし、取り押さえられてる桂。
その場面だけ見ると……うん、ヤバイよね。
『八雲さ……』
ブザザザザーーッ!!
取り押さえてる井岡と有馬、取り押さえられてる桂が同時に器用に驚くほどの速さで退いた。
退きすぎてテーブルは動かすわ、椅子は薙ぎ倒すわ。
それは誰が直すと?
『ハイネ』
『八雲さん……』
いつの間にか、あたしの前に来た八雲さんがポロポロと流れる涙を拭ってくれる。
『少し待ってろ』
優しい声音でそう言った八雲さんは立ち上がると一歩前へ。
ズドンッ。
八雲さんが歩くたびにそんな音がする。
重い。
『貸せ』
『はいっ!!』
『はぃいっ!!』
直立不動、桂を捕まえたまま立ち上がった井岡と有馬が何故か敬礼して、桂を八雲さんに差し出す。
『あっ!?お前らっそれでも仲間っっ、オ、オチツケヤクモ……ハナセバワカル…』
『わかりたくもねぇな、ハイネを、泣かす野郎のことなんざ』
片言の桂に、八雲さんが嗤う……。
初めて吹いたホイッスルの音は綺麗に澄んだ音だった。
が、感動する間もなく前歯が痛くてまた泣けた。
それまでの大爆笑はどこへやら、ホイッスルの音を聞いた桂が真っ青になって逃げ出そうとし、これまた真っ青になった井岡と有馬に取り押さえられた。
“黒豹”であれば皆、ホイッスルが鳴る意味を知っている。
『だっ!?ばっ!?お前ら離せっっ』
『イヤッス!!』
『チビ姫を泣かせたんッスから罪は償ってもらうッスよ!!』
『ハイネーーッ!!』
ドッカーーンッ!!
派手に何かが倒れる音。
駆け寄ってくる足音。
八雲さん……。
八雲さんだ……。
本当にすぐ来てくれた。
『ハイネ!!』
酷く慌てた、険しい表情の八雲さんが姿を見せた。
『何があった!?』
『『『『……』』』』
そこからがまぁ……大変だった。
泣くあたし、取り押さえられてる桂。
その場面だけ見ると……うん、ヤバイよね。
『八雲さ……』
ブザザザザーーッ!!
取り押さえてる井岡と有馬、取り押さえられてる桂が同時に器用に驚くほどの速さで退いた。
退きすぎてテーブルは動かすわ、椅子は薙ぎ倒すわ。
それは誰が直すと?
『ハイネ』
『八雲さん……』
いつの間にか、あたしの前に来た八雲さんがポロポロと流れる涙を拭ってくれる。
『少し待ってろ』
優しい声音でそう言った八雲さんは立ち上がると一歩前へ。
ズドンッ。
八雲さんが歩くたびにそんな音がする。
重い。
『貸せ』
『はいっ!!』
『はぃいっ!!』
直立不動、桂を捕まえたまま立ち上がった井岡と有馬が何故か敬礼して、桂を八雲さんに差し出す。
『あっ!?お前らっそれでも仲間っっ、オ、オチツケヤクモ……ハナセバワカル…』
『わかりたくもねぇな、ハイネを、泣かす野郎のことなんざ』
片言の桂に、八雲さんが嗤う……。