少女と過保護ーズ!![完]
ーー……

ーー……


数十分後。


あたしは正座をさせられていた。


見るも無惨な姿で発見…もとい連れてこられた桂と共に。


何故だ…。


八雲さんの説教を聞きながら悩む。


あたしは被害者では…?


なんて思ってたのがバレて




『よっぽどの事があったんだと、心臓が冷えた』




と困ったような顔で言われた。



ホイッスルを貰ってから1年ほど。



その間、鳴ったことがないホイッスルが鳴ったのだ。


数日前のことがあるから余計に心配したのだとも言われた。



ここに入って来た時の八雲さんの表情を思い出して、申し訳無さで一杯になる。



あたしはなんて馬鹿なんだろう……。


今は気が張ってる八雲さんにこんなに心配をかけて……。



しかもただの仲間内のケンカで。


ギュッと太ももの上で手をキツく握りしめる。



八雲さんの顔が見れない。



『ごめんなさい』




俯いて謝る自分の声はあまりにも小さく、八雲さんに届いたかわからない。


情けない……。




『ハイネ』


『…はい』




八雲さんがあたしの前でしゃがむ。




『反省したなら良いんだ』


『や”…や”く”も”さ“ん”っっ』


『もう泣くな。タオルを冷やしてくるから貸せ』




壊れ物を扱うかのように、顔を冷やしているタオルで涙を拭かれ、そのタオルを持って八雲さんはキッチンへ。



その姿をただただ見つめる。




八雲さんーー。


< 65 / 461 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop