少女と過保護ーズ!![完]
それは、朝ごはんの時間だった。



「「「「……」」」」



「お?」




1番遅かった竜希さんが、もう皆座って食べる準備万端な所に入って来たのだが……。




「…なんか居た」




そう言って掲げた右手には、ピンクのリュックを背負った女のコが居た。


竜希さんにリュックを掴まれ持ち上げられている女のコは、胸に何かを抱き締め丸まっている。



うん、女のコだ。

あたしと麻也と同じくらいの女のコ。




「オイオイ竜ちゃんよぉ、居たって何処によ?」



「見たことねぇな」




ケタケタ笑って言う桂に、警戒心たっぷりの蓮くん。




「何処にって、コソコソ店を覗いてた」




外を指差す竜希さん。


そして




「おまっ?なんなんだよ!!こんな朝早くにこんなとこまでっっ。ストーカーかっ!!」




突然上がった声。



麻也!?


衝撃の一言!!



え!?

ストーカー!?



って




「ちょっ!?麻也っっ」




いつものように壁際から八雲さん、あたし、麻也で座っていたんだけど、叫びながら麻也があたし達の方に躙り寄ってきたではないかっ。


狭っ…狭いよっっ麻也っっ。


どんどん躙り寄ってくる。


どんどん……



あたしの座る場所がっ。

あたしの座る場所がどんどん失くなっていくではないかっ。




「まっっ、んぶ!?」




名前を呼んで止めようとしたけど、とうとう座る場所の失くなったあたしは、八雲さんの胸にダイブ!!




「……ハイネ、朝から大胆だな」




八雲さんの膝の上に乗りあげてしまい、笑った八雲さんにムギュッと抱き締められる!!



大胆!?


いやいやいやっ!!


これは不可こんにゃく!!



……。

何か違う気がする。



こんにゃく……。
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