少女と過保護ーズ!![完]
静かに八雲さんがあたしにしがみつかれた体勢のまま椅子に座り、あれだけ喋っていた蓮くんと桂も黙り、麻也も口を閉じた。


恐ろしいほどの沈黙。



全ての重圧が田村さんに伸し掛かっているようで、それをなんとかしようとあたしは口を開くけれど何一つ言葉が出ない。


話せない。



それ程までに今の空気は……恐い。




『いつまで麻也を追い回す気だ』



「……それは……モデル…を……引き受け……てくれる……まで」



『麻也はずっと断っているのに?』



「……」



『それはもう“お願い”とは言わねぇんだよ』



「……っ」



『“脅し”だ』



脅しーー。


田村さんを見据えたまま、普段からは考えられない無表情で……氷のように冷たい瞳で言う竜希さん。



「……違っっ」



『違わねぇよ』



「……ちがう」



『自分の主張ばっかりで、コイツの言葉をちゃんと聞いたか?』



「……」



『アンタがここに来てからもずっとコイツは断り続けているぞ』



それはここに居る全員が聞いている。



そしてそれは蓮くんも。
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