笑顔の花が咲くまでは#8~私は同性愛者~
「これ以上、皆さんに迷惑をかけたくない……俺、ここで降ります。降ろしてください」

男性の言葉に、バスの運転手はバスの扉を開ける。男性は、シオンに付き添われながらバスを降りていった。

フィオナは、男性とシオンの後を追ってバスを降りようとする。フィオナが地面に足を付けた瞬間、銃声が鳴り響いた。

シオンの体が傾き、倒れる。

「……え?」

男性とフィオナは、驚きのあまり固まってしまった。シオンが倒れて数秒後、通行人やバスの乗客は、悲鳴を上げる。

「…………シオン……さ……っ、シオンさん!!」

フィオナは、声を出してシオンに近づいた。



「何とか犯人を捕まえること出来たね」

捜査本部に帰ってきたエヴァンたちは、そう言って笑い合う。

「あ、フィオナ……帰って来るの、早かったんだね」

部屋でぼんやりとしているフィオナの姿を見た瞬間、エヴァンは微笑んだ。

「……エヴァン……どうして、電話に出なかったの?何度も電話したのに!」

「え?……本当だ……ごめん。気づかなくて……」

いつもとは違うフィオナの様子に、エヴァンは戸惑いながら謝る。

「……シオンさん、撃たれて死にました」

「え……?」

「何言ってんの?シオンが……死んだ?」
< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop