好きばかり
少しの沈黙をはさんで、ようやくその唇は動いてくれた。
「さっき、教室から知らねーやつ出てった」
「え?」
向けられる瞳は、ちょっとジト目。
真山からこんな視線送られるのはなんだかんだはじめてで。
胸がドキリとした。
「ネクタイ緑だった。一年だよな」
「う、うん」
「だれ、あいつ」
"だれ"と聞かれ
彼は部活の後輩。
そして…私に告白してくれた人。
文字だけが脳裏に走り、途端に体が火照りはじめた。