追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
プリシラがふと顔を上げると金髪でタレ目がちな、どこか羊っぽい雰囲気の青年クロエが小さいピンクの花を手にしていた。
「……あっ! それって香草のオレガノじゃん! 珍しい!」
「え、そうなの?」
「そうだよ! オレガノはマジョラムの親戚なんだけど、『魔女の薬草』って呼ばれてる珍しいハーブなんだ!」
「ま、魔女?」
クロエの表情が一瞬で青ざめる。
「まさか魔女が魔法に使う香草とか?」
「全然違うよ。魔獣の中にはオレガノの香りが好きな子もいるんだ。だから魔女が魔獣を呼び寄せるみたいにオレガノに近づいてくるってわけ」
「あ、なるほど。そういうことか」
ほっと胸を撫で下ろすクロエ。
魔女は「魔獣を意のままに操る」と言われている。
それにあやかって「魔女の薬草」という名前をつけているのだろうが、魔女の嫌疑をかけられプリシラと共に魔王討伐隊を追放されてしまったクロエにとってはあまり聞きたくない話だった。
「魔王討伐隊」は、大陸の最北端に位置する雪に閉ざされた「北方領域」を根城にしている魔王カタルスカヤを倒すために作られた傭兵団のことだ。
「……あっ! それって香草のオレガノじゃん! 珍しい!」
「え、そうなの?」
「そうだよ! オレガノはマジョラムの親戚なんだけど、『魔女の薬草』って呼ばれてる珍しいハーブなんだ!」
「ま、魔女?」
クロエの表情が一瞬で青ざめる。
「まさか魔女が魔法に使う香草とか?」
「全然違うよ。魔獣の中にはオレガノの香りが好きな子もいるんだ。だから魔女が魔獣を呼び寄せるみたいにオレガノに近づいてくるってわけ」
「あ、なるほど。そういうことか」
ほっと胸を撫で下ろすクロエ。
魔女は「魔獣を意のままに操る」と言われている。
それにあやかって「魔女の薬草」という名前をつけているのだろうが、魔女の嫌疑をかけられプリシラと共に魔王討伐隊を追放されてしまったクロエにとってはあまり聞きたくない話だった。
「魔王討伐隊」は、大陸の最北端に位置する雪に閉ざされた「北方領域」を根城にしている魔王カタルスカヤを倒すために作られた傭兵団のことだ。