追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「な、なんでもないよ! でもプリシラちゃんって本当に逞しいよね。まだ僕と同じ十五歳なのに、シュラウべの森で治療師をやりながらひとりで生活してたし」
「両親はいないけど、ひとりってわけじゃないわ」
幼い頃に両親がいなくなったあと、プリシラは味覚魔法を使った治療師としてクロエが住む「シュラウベの村」を訪れて生計を立てながらひとりで生きてきたが寂しい思いをしていたわけではない。シュラウベの森には大切な「友人たち」がいたのだ。
なんだか変な空気になってしまったので、プリシラは務めて明るく続ける。
「とにかく、オレガノはほろ苦くて爽やかな香りがあるから肉の臭みを消したりするのに効果的なんだけど、今日の朝食の付け合わせには向いてないんだ。だから、オレガノよりもこっちの方がいいと思う」
プリシラは草むらの中に顔を突っ込み、紫の花がついた植物と黄色い花がついた植物をクロエへと差し出す。
「見てよクロエ! ローリエとタイム! 『サロ』にぴったりの付け合わせだよ!」
えへへ、と嬉しそうに笑うプリシラの頭は木の葉まみれだった。
「両親はいないけど、ひとりってわけじゃないわ」
幼い頃に両親がいなくなったあと、プリシラは味覚魔法を使った治療師としてクロエが住む「シュラウベの村」を訪れて生計を立てながらひとりで生きてきたが寂しい思いをしていたわけではない。シュラウベの森には大切な「友人たち」がいたのだ。
なんだか変な空気になってしまったので、プリシラは務めて明るく続ける。
「とにかく、オレガノはほろ苦くて爽やかな香りがあるから肉の臭みを消したりするのに効果的なんだけど、今日の朝食の付け合わせには向いてないんだ。だから、オレガノよりもこっちの方がいいと思う」
プリシラは草むらの中に顔を突っ込み、紫の花がついた植物と黄色い花がついた植物をクロエへと差し出す。
「見てよクロエ! ローリエとタイム! 『サロ』にぴったりの付け合わせだよ!」
えへへ、と嬉しそうに笑うプリシラの頭は木の葉まみれだった。