追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「責任は勝手に手を出したあんたにあるのに、どうしてあたしが主犯扱いされなきゃならないのよ!」

 プリシラは汚れなき正論を突きつけるが、ローエンは意にも返さない。

「何度も言わせるな! 貴様が魔獣を操る魔女だからだ!」

「だから違うって言ってるでしょ!」

「黙れ! 貴様が魔女である証拠は掴んでいる! おぞましい魔獣肉を使った料理を傭兵どもに食べさせていたと報告が上がっておる!」

「あれはあたしの『味覚魔法』よ! 魔獣肉は普通の獣肉よりも魔力が蓄積されてるから味覚魔法にぴったりなのよ!」

 プリシラは押し付けられた炊事係としての職務を全うする傍らで、こっそりと負傷兵の傷を癒やすために味覚魔法の料理を振る舞っていた。そのときに作っていたのが、倒した魔獣肉を使った「魔獣ジビエ料理」なのだ。

 その味覚魔法の効力は凄まじく、後送されてもおかしくない重症を負った傭兵でも次の日には戦いに復帰するほどだった。魔王討伐隊が度重なる魔獣の襲撃に耐え、ここまで来られたのもプリシラの治療師としての能力があったからなのだ。

「はっ! 魔獣肉を使った味覚魔法だと!?」 

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