幼なじみにつきまとわれています
♯2 いちごとクレープ
7月の期末テスト最終日の放課後。
長かったテストが、ようやく終わった。
「乃々ー! 帰りに、新しくできたクレープ屋さん寄ってかない? テストでめっちゃ頭使ったから、糖分補給しなきゃ」
帰りのホームルームが終わると、クラスメイトで友達の杉元 瑠花ちゃんが声をかけてきた。
「いいねー! 行こ行こ」
わたしは昇降口でローファーに履き替えると、瑠花ちゃんと駅前へと向かって歩きだす。
瑠花ちゃんと他愛もない話をしながら歩いていると、あっという間に目的のクレープ屋さんに着いた。
赤と白を基調としたお店の外観は、すごく可愛い。
新しくオープンしてまだ日が浅いからか、お店の前には行列ができていた。
「並ぼうか」
「そうだね」
わたしは、瑠花ちゃんと最後尾に並ぶ。
今日は日差しが強く、立っているだけで汗が流れる。
並んでいると、しばらくして……
「お兄さんも買いに来たんですか?」
「お兄さん高校生? すごくかっこいいー!」
後ろから、複数の女の人の声が聞こえてきた。