幼なじみにつきまとわれています
ま、まさか。
振り返ってみると……
「あれって、渡井くんじゃない?」
「うん」
わたしは、瑠花ちゃんに頷く。
やっぱり、拓海だ。
また、わたしのあとをつけてきて……。
瑠花ちゃんと一緒のときまで。
しかも、女子大生っぽい人に逆ナンされてるし。
拓海に声をかけているふたりは、かなりの美女。
拓海は高校生になってから、学校以外でもよくモテるようになった。
そんな彼を見ていると、わたしの胸がザワザワして落ち着かない。
「お兄さん、今彼女はー?」
「彼女は……いませんけど」
「だったら、連絡先教えて?」
少し後ろに並んでいる拓海と女性の会話が妙に気になり、無意識に聞き耳を立ててしまう。
「ねーねー、メッセージのID教えてよー?」
拓海……教えるのかな?