幼なじみにつきまとわれています
休み時間に学校の廊下を歩いていると、拓海に声をかけてきた女の子がふたり。
どうやら、拓海のファンの子たちらしい。
「渡井くん、この間の中間テスト学年1位だったんでしょう?」
「すごーい。良ければ今度、勉強教えて?」
拓海は、顔良し。頭良し。運動神経良し。
いや、頭はネジが確実に何本か外れていると思うんだけど。
サラッとした黒髪。高身長でスタイルも良い、爽やかイケメン。
わたしへのストーカーみたいな行為……と言えば良いのかな?
そういうのがなければ、完璧なのに。
それでも、女の子から意外と人気がある。
ファンの女の子も、学年問わず多い。
ていうか、人のことをストーカーみたいにつけまわしている拓海を、変わってるって思わないのだろうか?
どう見ても変人だよ。
今のところわたしが、拓海のファンの人たちから睨まれたり、嫌がらせをされたことは一度もないけど。
それはおそらく、学校で授業中以外はわたしの近くには、ほぼ99.99パーセントの確率で拓海の姿があるから。