幼なじみにつきまとわれています
外だということも忘れて、吐息ごと重ねるように唇が合わさった。
まるで、誓いのキスかのように。
離れては、また唇が合わさる。
わたしはもうずっと前から、拓海のことが好きだった。
だから今日、それを伝えられて。
想いが通じ合って……今すごく幸せ。
「拓海。手、繋ご?」
「うん、繋ごっか」
微笑み合うと、お互いの指と指をしっかりと絡ませる。
「ねぇ、今わたし以外の女の子
見てたでしょう?」
「何言ってんの? 俺は、昔からずっと乃々しか見えてないよ」
拓海が、繋いでいる手に力をこめる。
「うん、知ってる」
つい意地悪なことを言ってしまって、ごめんね。
「ねぇ、乃々ちゃん。もうすぐ夏休みだし、デートしようか」
「うん! 夏祭り、海、プール……どこが良いかな」
「乃々ちゃんの行きたいところ、どこでも行くよ」
──隣には、大好きな人。
拓海。これからは、後ろじゃなくて……
こうして、わたしの隣にいてよね。
いつまでも、ずっと……。
【END】