幼なじみにつきまとわれています


" 可愛い " って、ストレートにそんなこと言われたら照れる。


「どっ、どうせそういうこと誰にでも言ってるんでしょ!?」


「ううん。乃々ちゃんだけだけど?」


「……っ」


わたしだけ。


「ははっ。頬が赤くなってる乃々ちゃんも、めっちゃ可愛い」

拓海に頬を指でなぞられ、肩がビクンと跳ねた。


「ほんと照れ屋なところは、昔から変わらないね」


「おっ、お手洗い行ってくる!」

「行ってらっしゃい」


わたしは、すぐそばの女子トイレに駆け込んだ。


女子トイレの鏡の前で自分の顔を確認すると、ゆでダコのようになっていた。


熱くなった頬を少しでも冷やそうと、わたしは顔を洗った。


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