幼なじみにつきまとわれています
必要な物を買い終え、コンビニからの帰り道。
わたしは、先ほどコンビニで買ったバニラアイスの棒を片手に、食べながら歩く。
「美味しー」
やっぱり暑い夏は、アイスに限る。
「乃々ちゃん、今日の夕飯とアイスを買うためにコンビニ行ったんだね」
「そうだよ。お母さん、今日は遅番で帰りが遅くなるから。アイスは、なんだか急に食べたくなっちゃって……」
わたしの家は母子家庭で、お母さんがいつも頑張って働いてくれている。
「あ! 乃々ちゃん。買い物袋、良ければ俺持つよ?」
拓海が、コンビニで買ったアイスコーヒーを飲みながら聞いてくる。
「ありがとう。でも、袋そんなに重くないから、大丈夫だよ……はい!」
わたしは、3つ買っておいたバニラアイスのうちの1つをエコバッグから取り出し、拓海に渡す。
「あれ? そのアイス、おばさんの分じゃなくて?」
「お母さんの分と、拓海のも買ったから。
はい! これ、拓海にあげる」
「……」
拓海はなぜか、なかなかアイスの袋を受け取ろうとしない。