聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
思い出のフレンチトースト
久しぶりに扉を開けると、アルベルトさんはトレーにフレンチトーストのお皿とナイフとフォークを乗せて持っていた。
「……フレンチトースト、食べたい……」
そうボソッと言った私に彼は「うん! もちろん!」と元気よく叫んだ。
「ふふ……アルベルトさん、中に入って」
「お、お邪魔いたします!」
アルベルトさんは元気よく言い、部屋に入るとテーブルにトレーを置いた。
「……ありがとう」
「うまくできてるかわからないけど」
私は椅子に座りナイフとフォークを手に取り、一口サイズに切った。