聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
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十四時になり私は厨房に戻ると、パン生地を広げて生地を伸ばして棒状にし輪っかに形成して閉じる。
閉じ目を下にしてそれを十個ほど作ると、鍋に水を貯めて沸騰させる。蜂蜜を少し入れると、生地をお湯の中に入れて片面ずつ二十秒ほど茹でて……。
「何作ってるんですか? メルさん」
「うん? ベーグルよ」
「ベーグル? あ、石窯に入れますか。俺やりますよ」
アルくんは鉄板を持ち、それを石窯へと入れてくれた。それを二十分ほど焼くと完成した。
「うわ、美味しそう〜」
「でしょう、オスマンさんとエミリーさん呼んできてくださる?」
「はい! 呼んできます」