聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
王都で食べ歩き。
「メルちゃん、ギルが迎えにきたわよ」
「えっ、本当ですか? エミリーさん、本当に似合ってますか……」
翌日、エミリーさんが選んだ服を着てライラに髪の毛をセットしてもらった。
「とても似合ってるわよ、ね? ライラもそう思うでしょう?」
「はい、とてもお似合いです」
昨日選んでもらったのは、現実の世界でのスイスの民族衣装トラハトに似ているワンピース。それに紙にはワンピースに合うリボンをつけてもらった。
こんな可愛い格好は、生まれて初めてかもしれない。
「メル」
「あっ、ギルバート様! おはようございます」
私が部屋から下に降りると昨日の騎士団の制服ではなく、私服の格好のギルバート様がいた。