聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
硬すぎなパン
……え? 聖女ってなんなのかわからないのに、聖女じゃない? どういうこと!?
「あなたにはここから出ていってもらいます」
「はい!?」
意味が分からないまま、私は屋敷から追い出された。でも私はどうすれば……それに日本に帰れるのか。
外国っぽいし、大使館とか探した方がいいのかも。でも、ここがどこかも分からないしパスポートも持っていない。
「お嬢さん、こんな場所でどうかされたかな?」
「へっ?」
「私はオスマン・セダールントだ。ここじゃ通行の邪魔になってしまう」
「ごめんなさいっ」
私は頭を下げる。私なにやっているんだろう……早く帰りたい。
「大丈夫かい!? いや、泣かせるつもりはなかったんだ、すまない」
「私……泣いて――」
そう言った瞬間、彼に横抱きされた。