聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。



「話を戻すのだけど、メルちゃんも公爵令嬢だから一緒にお食事しましょう。それに陛下もメルちゃんに会えるのをとても楽しみにしてるわ」

「そうなんですね……光栄です」

「それにギルとノアくんも来るのよ」


 ノアくん……? だれ!?


「あれ、ノアくんも知らなかった? ギルの学友でこの国の第一王子で王宮騎士団の団長よ」

「……え、王子様? だんちょ、う……?」

「ええ、どうかした?」


 どうかした、っていうレベルじゃないよ……


「私は何をすればいいんでしょうか」

「明日は厨房のお仕事はしないで準備しましょう」

「わかりました」

「これは私とオスマン様、ギル、ライラと執事長に料理長だけが知っていることだから他の人には言っちゃダメよ」


 国王陛下がいらっしゃるなんて聞いたら驚いてしまうもんね……


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