聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
「メル、ただいま」
「お帰りなさい、ギルバート様」
私たちは、全員座るとディナーが始まる。たわいの無い話をしていき、ついに本題が来た。
「オスマン、エミリーさん、メル嬢に話がある」
「……なんだ」
「ノアの婚約者に君の娘、メル嬢になって頂きたいんだ」
……え、婚約者?
「父上!? 私はそんな話聞いてませんよ!」
私が王子様と結婚……? そんなの無理だよ。
「今言ったんだから当然だろう? それに、彼女は聖女様なんだ」
「……っ」
「レクサス、メルは俺の娘だ。可愛い可愛い娘なんだ……聖女であってもだ」
オスマンさんがそう言うと「父上、お言葉ですが」とノア様が手を挙げた。