聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
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「聖女様、お会いできて光栄ですわ。アイリーン・エリザベス・エミベザと申します」
「いえっ、こ、こちらこそ……お初にお目にかかります、アイリーン様。私、メル・フタバ・セダールントです」
あれから数日後のこと。ノア様の紹介でノア様の妹君である第一王女のアイリーン様がやってきた。
「今回の件、聞きましたわ。お父様とノアお兄様のせいで本当に取り返しのつかないことを……」
「いえっ、もう大丈夫です! ノア様には謝罪されてしまいましたし、本当に気にしてませんので」
本当はまだ大丈夫じゃないけど。
「メル嬢が許されても私は許せませんわ!」
ええ……!?
「安心してくださいませ、もうお二人にはコテンパンに致しましたので」
「こ、コテンパン……」
「はい、先ほどお父様にはビンタと回し蹴りを」
「え……」
「ノアお兄様には、来る途中にビンタと回し蹴りに一発かましてきました」
陛下と国の王子にそんなことをできる王女様って……そういえば、アイリーン様は唯一の王女だって聞いたな。寵姫だからできるのかもしれない。