聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
恋バナと告白
「メル様、これが以前お話をした茶葉ですわ! 香りがよくてフルーティーなんですよ」
「ありがとうございます、リー様」
あの日から月日が流れひと月ほどアイリーン様ことリー様とは、いい話し相手でいいお友達になっていた。今日は、王宮内のバラ園でお茶会をしている。
「そうだわ、聞いてください〜ウィリアム様がね来る予定だったのに来れなくなってしまったの」
「……ウィリアム様ってあの隣国の王太子様ですか?」
「ええ! この度、婚約致しまして……婚約して初めて会う予定でしたのに、御公務があるんですって」
ウィリアム様は、リー様の婚約者候補だった隣国王子・ウィリアム=エレットロニカ様だ。リー様と同い年で頻繁に彼女に会いにきていた。
「次はいつ会うのですか?」
「私の誕生パーティーにご出席されるのでその時です。同時に婚約発表をすることになっていますわ」
すごい……本当に違う世界の人だな。私より年下なのに……