聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったので、異世界でふわふわパンを焼こうと思います。
「私のこともいいですけど、メル様は?」
「え、私?」
「ギルバード様とはどうなんですの?」
「えっと……朝も昼も夕方も毎日、会いにきて下さってます」
ギルバード様は本当に毎日私の住む離宮にやってくる。しかも、花束や焼き菓子を持ってくるから部屋の中は花に囲まれている。
「まあ! 羨ましいですわ〜ギルバード様って本当は情熱的な殿方ですのね」
「……っ……」
「ふふっ、メル様もお慕いされているのではなくて?」
「それは……」
ギルバード様のことは、確かに私は好意を持っている。