夢よりも儚き星空を
「ところでさぁー奈莉。ここは?」
周りを見渡しながら奈莉に聞いた。
見た感じ誰かのお家って感じだけど・・・
ここはどこなんだろー?
「ここは俺の家だよ。」
え、家?実家?いや、実家は違うよね…。
「奈莉ってひとり暮らしなの?」
「あー。そうなんだ。俺今はひとり暮らししてんの。学校行くのにちょっと遠くて。」
「そーなんだ。ひとり暮らしすごいね。私はしたことないから未知の世界って感じ。」
私はずっと共同生活してるから未知の世界。
こういう時に4年離れてたことを実感する。
私の知らない奈莉がたくさんいるんだと思うと寂しい…。
「結構快適だよ、ひとり暮らし。今日からは2人暮らしかな?美莉もいるし。」
急に転がり込んで申し訳ない…。
私が罪悪感から目を伏せると、彼は優しく笑う。
「俺はぜーんぜん嫌じゃないよ。美莉といられるだけで幸せだし。俺、美莉のこと大好きだから。」
電話でもいつも言ってくれるけど、やっぱり面と向かって大好きって言ってもらうの嬉しいや。
「私も大好きだよ、奈莉。これからいっしょにいられるの幸せ。」
こういう時にやっぱり私はブラコンだなって思うんだけどね…。
いいんだ別に。
私がブラコンなら、奈莉はシスコンだし。
お互いを大事に思うことはいいことでしょ。