夢よりも儚き星空を

「ところでさぁー奈莉。ここは?」



周りを見渡しながら奈莉に聞いた。



見た感じ誰かのお家って感じだけど・・・



ここはどこなんだろー?



「ここは俺の家だよ。」



え、家?実家?いや、実家は違うよね…。



「奈莉ってひとり暮らしなの?」



「あー。そうなんだ。俺今はひとり暮らししてんの。学校行くのにちょっと遠くて。」



「そーなんだ。ひとり暮らしすごいね。私はしたことないから未知の世界って感じ。」



私はずっと共同生活してるから未知の世界。



こういう時に4年離れてたことを実感する。



私の知らない奈莉がたくさんいるんだと思うと寂しい…。



「結構快適だよ、ひとり暮らし。今日からは2人暮らしかな?美莉もいるし。」



急に転がり込んで申し訳ない…。



私が罪悪感から目を伏せると、彼は優しく笑う。



「俺はぜーんぜん嫌じゃないよ。美莉といられるだけで幸せだし。俺、美莉のこと大好きだから。」



電話でもいつも言ってくれるけど、やっぱり面と向かって大好きって言ってもらうの嬉しいや。



「私も大好きだよ、奈莉。これからいっしょにいられるの幸せ。」



こういう時にやっぱり私はブラコンだなって思うんだけどね…。



いいんだ別に。



私がブラコンなら、奈莉はシスコンだし。



お互いを大事に思うことはいいことでしょ。
< 11 / 16 >

この作品をシェア

pagetop